久しぶりにヒーローのことを思い出して画面を開いた。
そこには元気そうに恥じらう姿が映し出されていた。


よかったなぁ


本当に良かった。たぶん、それだけの日々ではないと思うけれど、
とてもよかったと思う。


道は、一歩踏み出すごとに新しく更新されていく。
背中から照られる夕日に伸びる影に似て、
自分の足取りの通りに道は伸びていく。

だから迷わない。このまままっすぐ歩いて行く。
恥じらうあなたの笑顔に、心が強くなる気がしたから。

もう交わらないかもしれないけれど、
いつか隣を歩いていることがあるかもしれないから。

===

興が乗って、他にも映像を探してみた。
あの年のあのステージは、本当に得難いキラキラに溢れていたのだな。
そして、あれから今までの時間が、皆にひとしく
降り注いでいたのだな。

どんな時間だったのか、それは大したことじゃない。
ただ、いろんなところで、みな等しく時間を積み重ねていたのだな。

季節が変わって、春が訪れた。

だからそんなことを思うのだろうか。
でも、いつだって必要なことは目の前に訪れる。
研ぎすましていれば、なんの心配もない。

そういう、ことなんだ。