桜の散る午後を

何日か前から盛んに番宣している深夜ドラマがあって、起きてたら見るかな、どうかな、でも基本ドラマは続かない方だしな、なんて思っていたら、タイミングが合って思わず最後まで見てしまった。何年か前に、そのテーマについて人と話したことをよく覚えていたせいもあるかもしれない。また、今夜に限ってはストーリーの中にバレエのシーンがあったりしたのも、興味本位で見るには悪くなかった。
ところで、話の核心に触れるため、途中に葬儀の場面があったのだが、そこに思わぬ偶然が隠れていた。なんと、春にマコ先生をお見送りしたホールがロケに使用されていたのだ。それはこぢんまりとした会堂で、撮影に使われること自体が意外といえば意外だったのだけれど、何よりあの桜の散る午後、先生に最後のご挨拶をしたときの様子がまるでそのまま再現されたかのような画面に驚いてしまい、しばらくの間呆けてしまった。
今ちょうど舞台の準備をしていて、わたしたちは先生の不在を思っているところなのです。できれば、お忙しくなければ、ぜひまた来て指導していただきたいのです……なんてね。そんなことを、ついつい考えたり、考えなかったり。それでもわたしたちは、やらねばならないのだけれども。