ひと安心。

覚えておこうと思うことは大概忘れてしまうのだけど、確かあれは春だったと思う。3月くらいかな、うちのネコさんが眼を患ってしまいました。角膜にちょっと色素沈着を起こしている、というのは何となく気づいていたんだけど、お医者に診せたところで大したことも言われず、目が気になるなら、と軟膏だけもらっていたのが去年。うちのヒトは時々目やにが多くなることがあるから、気づいたらその軟膏を塗っていたのだけど、ある日右目のど真ん中にエラい炎症を起こしてしまった。普段がすこぶる付きの健康優良児なだけに、さしもの私もちょっと焦った。


軟膏を貰ったのとは別の、ワクチンやホテルでいつもお世話になっている病院へ改めて診せに行くと、この腫れはウィルス性なんじゃないかと言われた。猫には割と多い角膜潰瘍で、うまく使わないとステロイドは諸刃の剣だと言われた。実は違うところでもらった軟膏塗ってた……というのは墓場まで持って行くことにして(いや、あとで気づいたので言うチャンスを逃したの)、一通りの検査と点眼薬を2種にLリジンの粉薬を貰う。あとは様子を見るしかない。
うわーん、悪かったよ、目の薬だからといって「つい」塗っててしまっててゴメンよ。別に眼が悪くたってお嬢のことは一生大事にするから、とにかくその痛々しい眼を何とかしてやりたい。正直、人間にこんなの出来たら一大事だよ、というくらいの症状だった。


1日2度の点眼が功を奏して炎症が治まると、それは変色して収縮し、いわゆる黒色壊死になった。お医者曰く、新しい角膜が上手く再生して、壊死の部分がポロリと取れれば良いけれど、時間はかかるかもしれないし、再生が不十分なままでひっかいてしまったりして、角膜そのものに傷がつくのも心配だという。幸いお嬢は良くできた娘で、あまり目をこすったりしていないので、エリカラは免れたし、炎症が治まるのが早かったから、外科手術もまだ未定。だけど煩わしそうだな。飛蚊症どころの騒ぎじゃないと思うぞその異物感。


……てな症状がかれこれ半年ほど続いていたのだけれど、つい先ほど夜の点眼をしようと思ったら、あらま! 例のかさぶた(壊死部分)が取れている! ホントに? マジで? もう1回良く見せてみそ? オラ、足つっぱるな!
再度観察すると、壊死がポロリと取れたあとは、なめらかできれいな球面になっている。もちろん、まだ完全に澄んだ角膜にはなっていないのだけど、これは好感触では!! や、猫の角膜潰瘍は再発が多いとも言うから安心するのはまだ早いのだけれど、あれが取れただけでも良かった良かった良かったー! さっそくお医者に経過を見せに行かないとイカンね。それにしてもお嬢よく頑張った! ちゃんと忘れないようにここに書いておくからね。それにしてもホントに良かった……今夜は奴を布団に拉致だな。うん。