「戻る」。

「戻る」ということを考えたとき、一体どの辺りまで戻るのが妥当なんだろう。
考えればいろんなターニングポイントがあるのだけれど、今は、一生懸命音楽を聴いていたときのことを思い出していたい。


その昔私は音楽がたいそう好きで、聴くだけではなく自分で演奏するのもとっても好きで、好きで好きで好きで、それでメシを食えたらいいな、なんてことを大胆にも思うような中高生だった。パートはドラム。初めてバンドを組んだ中2のときから、そのポジションは変わらない。なぜ選んだかは分からない。直感。だけど、絶対自分はコレだと思っていた。


初めてセットに座ったのは、放課後の音楽室でだった。まだ楽器を持たない私たち、今風に言うなら「エア・バンド」だった私たちは、いわゆる「同中の不良グループ」が溜まり場にしている音楽準備室に忍び込み、ガットギターとブラバン用のドラムセットで、最初の練習を開始したのだ。


スローンに腰掛け、スティックを握る。左足でハット、右足でバスドラを踏んで、エイトの基本を打ってみる。


「できるよ」


「ホントだ!」


それから、今に至るいろんなことが始まったのだ。


昨日の夜、改めて「自分はこういう音が好きだったんだなあ」なんてことを思い直す瞬間があって、そうしたらもう矢も盾もたまらなくなって、終演後つい声をかけてしまった。しかし、「思いの丈を伝える」というのは、時々暴力的な行為に近しくもなるよね。それがどんなシチュエーションにしてもさ。ただ、あんな場所であんな機会だから、誰もが快く願いを聞いてくれていたし、その好意にこちらも甘えてしまっていたし。
それで、うわー申し訳ない!! と思いながらも、結果、自分の辞書の中にはあり得ない大胆なことをやってのけてしまったのだった。


そしてこの手に残ったのは、1ペアのドラムスティック。あわわわ!
でもでもその、本当にありがとうございます!! 宝物にします!!! 卒倒!!!


ヒトリゴト
なんつーか、また練習しようかなあ。
とりあえず何のため、とかではなく、自分の一番はじめに「戻る」ために、
また練習したらいいんじゃないかな、と思うんだよな。
あんな楽しそうな演奏見てたらさ、なんか凄く羨ましくなっちゃったんだもんさ。
</ヒトリゴト


それにしても切ないのは、私は10代まんまの気持ちで突撃してるけど、相手から見たら、ちゃーんと20年分年取って見えてるってことだよなあ(残酷) ほんとスミマセンでした……。こんどアルバム買いに行こうっと!(現役と知って嬉しかったのなんの!)


歌を歌っていた人への思うことはまた後日手紙を書きましょう。
最近寝なすぎ。悪いテンションの上がり方だなー。