K-Ballet Company :『海賊』@オーチャードホール

マコ先生が急逝して、4月は慌ただしく始まった。まるで1ヶ月前をトレースするように。身近な人が次々どこかへ行ってしまう。起きているような眠っているような、地に足の着かない日曜日だった。桜の花びらは尽きることなく風に舞っていた。


……という日記を(先月中には)書こうとして、またあっという間に時間が過ぎてしまったのだった。日々いろいろなことは起きているので、物思わないわけではもちろんないのだけれど、それをここに書き付けるという行為については、どうにもプライオリティが下がってしまったのかもしれない。何でかって、ここは恋心と過去に思いを馳せる場だ(った)から。
でも時々は思い出す。最近はほとんど備忘録。4月メモ含む。

  • ほんの1週間のことだった。それこそ「先生の舞台を観てきました」という日記を書いているくらいのつもりだった。それなのに、先生は突然(ではなかったのかもしれないけれど)その大きな翼で滑空して、あっという間に夜の向こうへ行ってしまった。寂しさがこみ上げるのはきっとこれから。今だって「また会える」としか思えない。
  • 先生を送った翌日が、奇しくも東京バレエ団の白鳥湖。きっと先生も見に来ていたと思う。2幕の音楽が流れるたびに、これからも絶対思い出す。というか、先生と一緒に演りたかったのです、わたしたちは。
  • 打って変わって月末。なな、なーんと、雨の中「あいつら100%伝説」参戦。この時点で「内緒にしておいて欲しかった」という日記を書きたかったのに、心の中でしたためたまま挫折。トミーがよりによって『Blue Moon Of Kentucky』をカバーしてくれた時点で撃沈。他にもあるじゃん、月の曲。
  • GWは風邪に伏す。
  • しかし代休取って千葉へ。
  • だが通ったのは128だったよざんねーん。
  • この間『SO YOU THINK YOU CAN DANCE(アメリカン・ダンスアイドル)』にドハマり(今さら)。やっぱりダンスは素敵だ。
  • そして稽古をサボって台場へ。再びの「あいつら100%伝説」(ゲッチケ両方当たってしまったのです)。久しぶりに氣志團ちゃん観戦。ん? そうだよね、あれは氣志團ちゃんなんだよね。感想は追って。


そして。今日はまたしても稽古をサボって(サボりすぎ)、K-Balletの『海賊』へ。周知の通り、團長……ではなく団長の熊川哲也氏は現在右膝を負傷中で、私も7月の『ドン・キ』の手配中に偶然「最後の1枚」のチケットを手に入れてしまったわけなので、この際団長が出ないのならば払い戻しもありか、と考えていたのだけれど、『海賊』の全幕など観たことなかったし、わたしは熊川氏の踊りと跳躍がもちろん好きなわけではあるけれど、あのカンパニーの芝居がとにかく観たいと思っているわけなので……と、いろいろ逡巡した結果、アナスタシアの予約も取れたことだし、眉を整えつつ渋谷へ突入。


舞台は良かったんではないかな? そりゃもちろん、「ここでK氏だったら……」と思うシーンはいくつもあったし、あの跳躍のあとに降るキラキラの粉はちょっと見えなかったりしたけれど、やっぱり熊川氏の解釈(演出)が良かった! そうだよね、あのストーリーでK氏がアリだったら、やっぱりきゅーんとなるだろなぁ、、、、、うーん、代役の橋本氏が悪くなかっただけに「もし」を考えてしまうのがかえって切ない。


そして、終演後まさかのサプライズ。カーテンコールのラストに舞台へ登場した熊川氏、のことは事前情報で手に入れていたけれど、なななんと今日は、「緊急握手会」が敢行されたのだ。ふがーっ! びっくりしたけれど、並んできてしまいました……驚きです。
やっぱり「ありがとう」って言えばよかったなぁ。いつかのあの時のように。


そして思うことは、やはり「準備」をしていなくてはならないということ。いろんなものを見ればみるほど、聴けばきくほど、最近やたらに低空飛行をしている自分に気づく。


「だから飛ぶんだもっと高くいまより高く飛ぶんだ」


それが聴きたくて雨の中もお台場までも足を運んだんだった。それはなぜなら、わたしが飛びたいと思っていたから。遠くへ、高くへ、飛びたかったから。

だなー。