gregory colbert [ashes and snow]@the nomadic museum

泣けた。
会期中にもう一度深呼吸に行きたい。
そんな写真の数々だった。

  *  *  *

2年前にNYへ行ったとき、そのスケジュールの大半は美術館やギャラリーめぐりで占められた。NYだけではない。ピッツバーグ郊外の落水荘をはじめペンシルバニア、ボストン、フィラデルフィアと、国内線を乗り継いで、それこそ浴びるように毎日たくさんの作品に触れてきた。


その旅行の予定を立てるとき、「これは外したくないね」とリストアップしたのが、グレゴリー・コルベールノマディック美術館だった。美術館そのものを日本人建築家(坂茂)が手がけている、というのも興味を抱かせたし、コンテナという佇まいがまたよかった。ただ、残念ながらそれは期間限定の移動式美術館で、我々が渡米する9月より前には、またどこかへ旅立つことになっていたから、足を踏み入れることは叶わなかった。残念、こればっかりは仕方がない。


そして今年。その「旅する美術館」が東京へやってきた。
実は、「ashes and snow」が「あの」ノマディック美術館であるとは、はじめは理解していなかったのだけれど、テレビか何かで特集していたのを見てハタと思い出した。そうだったんだ。


そして不思議なことに、あの時触れるより、今の方がずっと意味がある。つくづく、うまくできるなぁと思わざるを得ない。


思うところあって、いろいろと考えを整理する必要があった。だから本当は、もっとあの空間のなかに目の下まで浸かって考え事をしたかったのだけれど、とりあえずデート(仮)ではそうもいかない。よって、会期中、間に合えばもう一度行くけれど、とりあえず写真集とDVDを購入しておいた。これはもう、Dia:Beaconの作品集と同じくらい大切になりそうな予感。ページを繰るだけで泣ける。
自分にはまだやることがあるはずなんだな、きっと。