空腹と眠気の合間で

まだ佳境までには全然時間があるのに、気ばかりが急いて前のめりのまま鼻から地面に倒れ込みそう。
「もうダメかも知れない」というお決まりの文句を、かわいい同僚女子に何度となく無視させながら、「そんなことない! 大丈夫!」と自らを鼓舞して仕事に没頭していく歪んだ毎日。始まっております、季節労働


で、仕事してると当たり前だが段々集中が切れてくる瞬間がある。わたしの場合は往々にして「なんか頭が痛くなる」ことでその途切れに気付くのだけど、さらに学習しないことには、その頭痛は殆どの場合、空腹が原因なのだ。よく言う。頭脳労働こそがいちばんカロリーを消費するのだと----そうだとしたらわたし毎回もの凄く激ヤセしてもイイ気がするのだけど、そんなことにならないのは何故かしら----とりあえずカカオ70%のチョコひとつ口に放り込んで、ギリギリの体力で家路につく。
夜の線路に揺られながら、昨日前書きだけで涙腺を緩めた本を膝上に取り出した。何か温かいものを胃袋に届けるまできっと回復しない、頭痛でもやのかかった視力で文字を追いかけてみた。


やっぱり、


「なぜいま今自分がこれを開いているか」


というメッセージについて、少し真剣に考えた方がいいのではないだろうか。


たぶん、これが世に出た瞬間に手を取っていたとしても、ここまで引きつけて内容に吸い込まれることはなかったと思う。たぶん、2007年の11月も殆ど終わる、このいろいろな感情を旅したあとでなければ、響くものはもっと少なかったと思う。


で、自分はどうしたらいいんだろう。
今はまったくどこにも繋がっていない、地下の地下のそのまた地下のトンネルの中で呆然と立っている。この手にあるのは、じりじりとした胸騒ぎから起こした小さな火種。わたしは、このマッチのような小さな炎に少しずつ枯れ枝を足しながら、いつかトーチのように掲げて地上に出ようとでも思っているのか。それならば、まずは少しでも地上に近い道ゆきを探せばいいのか。それとも、火種が消えないように薪を拾い、くべていくのか。それとも、それとも、それとも……。

ただちょっと、自分の描いてしまった地図が思ったより大きかったのだ。まだまだ答えは見えない。