あさってに向かって走る

振り絞った小さな勇気が知らない世界への扉を開ける。ここのところその連続だ。居心地がいいのか悪いのか、これが適切なのかそうでないのかはまるでわからないけれど、ただゴールテープを切った途端、次のピストルがぱん!と鳴るから、息つく間もなく走り続ける。


なんで走り出したのかと言われると、これがまた全然理由がわからない……というのは嘘で、多分ある種の「欲」なんだと思う。


「だよね」


と言われたけれど、不思議と反論する気にはまったくならなかった。多分そうなんだ、と自分でも気づいているから。そして、「欲」だったからと認めたところで、否定もされなかった。そんなものなのかもしれない。
これが何になるのか皆目検討はつかないけれど、何かにはなる。その予感だけはどうしてもぬぐい去れないから、やっぱり明日に…いや、あさっての方へ向かってこれからも走る。楽しめばいいんだよ、と教えてもらったから、その通り楽しんで走る。
いつかゴールで出会えても、出会えなくても。